最新遺伝子治療と普及にあたっての課題

遺伝子治療は1990年代から注目されていた技術ですが、当時は通常薬剤と違って遺伝子を改変すると人体に重大な副作用が相次いだことから、リスクコントロールが難しく敬遠されていました。

しかし近年は体内に入れても病原が発現しない安全性を高める技術の向上が目覚ましく、再び注目を集めるようになっています。

当初は特定の遺伝性疾患に治療対象が限られていましたが、最新の遺伝子治療は一般的な難治性疾患にも適用されるようになってきています。

世界では既に多くの企業で臨床試験が行われ今後もこの技術を用いた新薬開発が続いていきますが、日本ではまだ数件程度でこの遅れが問題点になります。

臨床試験には費用がかかることと被験者が必要になるため、安全性や有益性が立証されないとなかなか踏み込めない背景があります。

そして遺伝子治療薬は高価になるため、一般に普及させるには保険財政を確保し治療を保険適用にできるかも今後の課題になってきます。